おもちゃの整理の主役は子どもです
おもちゃの量が増えたときやおもちゃの量が多いと感じたとき、おもちゃの量を減らそうと、すぐにおもちゃの整理に取りかかりたいと思うかもしれません。
※整理とはたくさんのモノを「使っている」「使っていない」に分けて、「使っている」モノだけを選びとることです。
でも、おもちゃの整理をするときの主役は「おもちゃを使って遊ぶ人=子ども」です。
そのためおもちゃの整理は必ず子どもと一緒にしてあげてくださいね。
といっても、思い立ったが吉日とばかりに、ある日突然子供に
「今からおもちゃの整理をするよ!」
「使ってないおもちゃはどれ?」
なんて言っても子どもはキョトンとして戸惑うだけです。
なぜなら子どもはおもちゃの量が多いと思っていないことの方が多いので。
そのためまずは次の3つについて子どもと話をしましょう。
・どうしておもちゃの整理をしないといけないのか
・どのくらいの量まで整理をする必要があるのか
・いつおもちゃの整理をするのか
どうしておもちゃの整理をしないといけないのか
例えば
おもちゃの片付けに時間がかかる
片付けの途中に遊んでしまう
というのは、おもちゃの量が多いために片付けの途中で集中力が切れているサインです。
そうなったときには「片付けができないならおもちゃを捨てるよ!」と怒るのではなく、「おもちゃの量が多くて片付けるのが大変だから、片付けやすい量まで減らそうね」といった具合に、おもちゃの整理をする理由を説明してあげてくださいね。
どのくらいの量まで整理するのか
子どもにとって片付けの負担になりにくいおもちゃの量は
未就学児であれば1人で5分以内に片付けられる量まで
小学生であれば1人で10分以内に片付けられる量まで
というのを目安にすると分かりやすいです。
試しに子どもの好きな音楽などで大体の時間を計りながら片付けてみてください。
音楽が終わるまでに片付けが終わらない場合は、おもちゃの量が多くて毎日の片付けが負担になっている可能性があります。
いつおもちゃの整理をするのか
大人は「おもちゃの整理をしなくちゃ!」と思っていても、いきなりだと子どもは心の準備ができていないため「全部いる!」となる恐れがあります。
そうならないためにも、あらかじめ「一緒におもちゃの整理をしたいんだけど、いつがいいかな?」といった具合に、いつ子どもと一緒におもちゃの整理をするかを相談して決めてくださいね。
子どもはおもちゃを捨てたくない
「おもちゃの整理をするよ」というと、子どもは「おもちゃを捨てないといけないのかな」と不安に思うかもしれません。
なぜなら子どもにとっておもちゃは大切なモノだから。
例え遊んでいなくても、おもちゃを捨てたくないと思うのは仕方のないことです。
ここで大事なのは整理とはいらないモノを捨てることでなく、たくさんのモノの中から必要なモノと不要なモノを分けて、必要なモノを選びとることです。
つまり捨てるおもちゃを選ぶのではなく、残したいおもちゃを選ぶことが大事なポイントです。
「もう遊んでないおもちゃはどれ?」と聞くのではなくて、「一番好きなおもちゃはどれ?」といった具合に、お気に入りのおもちゃから選んでもらってくださいね。
(これを1軍のおもちゃと呼びます)
そして選ばなかったおもちゃを捨てられないときは、ひとまとめにしておもちゃ置き場とは違う場所に保管しておけば大丈夫です。
(これは2軍のおもちゃとなります)
もし子どもが「やっぱり保管しているおもちゃ(=2軍のおもちゃ)で遊びたい」と言ったときは1軍のおもちゃと入れ替えてあげたらいいだけなのでね。
おもちゃの整理は遊んでないおもちゃを捨てるのではなくて、お気に入りのおもちゃを選んで片付けやすくするのだと教えてあげてくださいね。
おもちゃの整理で大人がやりがちなNG例
子どもがいないときに勝手に整理して捨てる
子どもの意見に大人の事情を差しはさむ
一気に整理しようとする
この3つは、子どものおもちゃの整理で大人がやりがちなNG例です。
なぜNGなのか、どうすればいいのかを順にご説明しましょう。
子どもがいないときに勝手に整理して捨てる
おもちゃの整理を子どもと一緒にすると、どうしても時間がかかります。
「子どもがいないときにこっそりやっちゃえ!」と思うのは合理的だと思うかもしれません。
でも、もし自分がいないときに自分のモノを勝手に整理して捨てられたらどう思いますか?
勝手に捨てた相手を怒ったり、信じられなくなったりするのではないでしょうか。
それは子どもでも同じです。
子どものおもちゃを勝手に整理して捨てたことでお互いの信頼関係が壊れてしまったら、修復するのは難しいです。
しかも「どうせ勝手に捨てるんだから自分がやらなくてもいいじゃん」と、おもちゃの整理が他人事になってしまう恐れもあります。
そうなるといくら「片付けて」と言ってもね。難しいですよね。
そうならないためにどんなに「自分がやった方が早い」と思っても、勝手に整理するのはやめてくださいね。
子どもの意見に大人の事情を差しはさむ
例えば
高いおもちゃだった
買ってからほとんど遊んでない
〇〇さんに貰ったモノだから…(捨てると気まずい)
これらの事情で「捨てたくない」というのは全て「大人の事情」です。
子どもが「今遊んでいない」と判断したおもちゃに対しては、大人の事情はちょっと横に置いておきましょう。
そうでないと子どもはせっかく考えたのに「自分の意見は聞いてもらえない」と思ってしまいます。
その結果、片付けのやる気がなくなったり自己肯定感が下がったりといい結果にはなりません。
もし大人の事情で残したいと思うモノがある場合は大人のスペースで大人が管理してくださいね。
一気に整理しようとする
「せっかく子どもがやる気になったんだから、このチャンスに一気にやってしまおう!」と思う気持ちは分かります。
でも、大人だって一気に片付けようとすると疲れると思いませんか?
(片付けが好きで好きでしょうがないの!という方は別ですが)
それに一気におもちゃを整理して量を減らすと
リバウンドして前以上にモノが増える
疲れて次以降のやる気がなくなる
という恐れがあります。
子どもは集中力が続きにくいため、途中で飽きたり疲れたりすることがあるのは普通のことです。
あらかじめおもちゃの整理をする時間を決めて、子どものペースに合わせて少しずつ整理するようにしてあげてくださいね。
まとめ
おもちゃの整理をする前に子どもと話をする
「使っていないおもちゃ」ではなくて「お気に入りのおもちゃ」から選んでいく
一度にやろうとしないで、子どものペースに合わせて少しずつ整理する
この3つを意識して、小さな「できた!」を積み重ねていくようにおもちゃの整理を進めてあげてください。
この小さな「できた!」の積み重ねが、次のやる気につながります。