発達障害のある子どもの片付けに大事なこと
発達障害がある、グレーゾーンといわれる子どもが片付けられなくて困っていませんか?
面倒くさいことは後回しにしてしまう
1つ何かをすると次にすることを忘れてしまう
こだわりが強く、使っていなくても捨てられない
など、片付けられない原因はいろいろありますが、その片付けられない原因は「発達障害の特性」によるものであることが多いです。
発達障害のある子どもには、片付けが苦手な子どもが多いと言われています。
だからといって、その子がずっと片付けができないままというわけではありません。
その子の特性に合った環境や片付け方が分かれば少しずつ片付けられるようになっていきます。
それに子どものうちから片付けの習慣が身に付いていた方が、その子にとってもいいことばかりなのでね。
「発達障害があるから仕方がない」といってあきらめるのではなくて、子ども自身で片付けられるようになるにはどうしたらいいか考えてみませんか?
発達障害のある子どもの片付けの基本は「モノは少なく、収納は目で見て分かるようにすること」です。
さらに発達障害がある子どもの片付けに大事なポイントは次の3つです。
1.自分を知る
2.道具に頼る
3.人に頼る
自分を知る
これは「どんな診断名がついているのか?」という意味ではありません。
もちろんどんな診断名がついているかについても大事ですが、同じ診断名でも違う特性があったり、複数の診断名がつく場合もあります。
そのため発達障害の特性の現れ方は十人十色、子ども1人1人みんな違って当たり前なのです。
そうなると診断名だけでどう支援したらいいかを考えるのは難しいため、大事なのは、まず最初に「その子は何に困っているのか?」を知ることです。
例えば
モノがたくさんあると集中できない
→モノを減らす
フタをするとそこに入っているモノが分からなくて見つけられない
→フタをなくす、ラベルを貼る
1つ何かをすると、次にすることを忘れてしまう
→一度に指示を出さずに1つできたら次の指示を出す、メモをとる
など、本人がどんなことに困っていて、それを解消するためにどんな支援が必要かを知るということが大事です。
そして「何に困っているか?」が分かればそのための支援も分かりますのでね。
まずは
・子どもが困っていることは何か?
・困っていることに対するちょうどいい支援は何か?
ということを理解し、子ども自身にも教えてあげてください。
道具に頼る
例えば
・収納用品に何が入っているか分かるようにラベルをつける
・タイマーを使って子どもが集中できそうな時間だけ片付ける
・子どもが出し入れしやすいように収納を工夫する
(洋服はたたまずにハンガーにかける、カゴなどに投げ入れるなど)
・共有スペースは子どもが好きな色のマスキングテープで区切って自分のスペースが目で見て分かるようにする
など、子どもの困り事を支援するための道具はどんどん活用しましょう。
そして「子どもが片付けられる量はどのくらいか」を一緒に考えて、モノが増えすぎないように気をつけてあげてくださいね。
人に頼る
発達障害があるなしに関わらず「子どもが人に迷惑をかけないように」と気を使う親御さんは多いです。
でも、完全に人に迷惑をかけずに生きるのは難しいと思いませんか?
私は我が子が小さくて家事育児にアップアップしていた時、友達に「もっと私たちを頼って。頼ると迷惑は違うよ」と言われてハッとしたことがあります。
相手が迷惑に感じるかどうかなんて、頼ってみなければ分かりません。
もしかしたら「それは無理です」と断られるかもしれません。
でも、言わなきゃ分からないことってあるじゃないですか。
頼って断られたら他の方法を考えればいいだけと割り切って、どんどん周りの人に「助けて」のメッセージを伝えてください。
そして大人が周りの人に頼ることで、子どもにも頼り方を教えてあげてくださいね。
頼る相手は家族や友人・知人だけではありません。
医療、福祉、公共機関や自治体、学校・園や地域の自助サークルなど、それぞれに「役目」があります。
子どもがどんなことに困っていて、家でどんな工夫をしているかを学校などで共有してもらうだけでも構いませんのでね。
「頼る=迷惑」ではないということを知り、「誰に頼るか?」「何をどうやって頼るか?」を一緒に考えてあげてください。
まとめ
「発達障害がある」というだけで、その子どもが片付けられないわけではありません。
モノを少なくして収納をシンプルにするだけでもかなり片付けやすくなります。
そして
・自分が困っていることとそれに合った支援を知ること
・片付けが楽になるように道具を活用すること
・苦手なことを周りの人に支援してもらうこと
この3つは、片付けだけじゃなくて生活全般でも役に立ちますのでね。
診断名だけにとらわれず、「子どもが何に困っているか?」を意識しながらちょうどいい支援を考えてあげてくださいね。