「片付けられなくて、困った子なんです」という言葉を聞くことがありますが、本当にその子は「困った子」なのでしょうか?
例えば
・片付け方を知らないために片付けられない
・おもちゃの量が多すぎて片付けの負担になっている
・どこに片付けたらいいかが決まっていない
などの理由で片付けられない可能性もあります。
どういうことなのか、ひとつずつご説明しましょう。
片付け方を知らない
子どもは「片付けってどうすること」なのか知っていますか?
「そんなの知ってるに決まってるじゃない」と思うかもしれません。
でも、「片付けとはどうすることか?」ということを理解している子どもは少ないです。
そのため「片付けて」と言われても、どうしたらいいか分からずその辺に突っ込んだり、部屋の隅に寄せただけで片付けができたと思ってしまうこともあります。
まずは「片付けて」と言うだけじゃなくて一緒に片付けてあげてください。
一緒に片付けているうちに子どもも片付け方が分かるようになってきます。
おもちゃの量が多すぎる
「おもちゃの量が多くて片付けが大変」ということもよくあることです。
片付けに時間がかかる
片付けている途中に遊びだす
というのは、おもちゃの量が多いサインです。
その場合は一緒におもちゃの量を見直して、片付けの負担にならない量にしてあげてくださいね。
そして見直した後はおもちゃが増えすぎないようにすることも大事です。
子どもがおもちゃを見れば欲しいと思うのは仕方のないこと。
でも、その気持ちを大切にしてどんどんおもちゃが増えると、結果として片付けに時間がかかって大変になるだけです。
そうならないためにもおもちゃの量が増えすぎないようにしてあげてください。
どこに片付けたらいいか決まっていない
基本的に片付けとは「使ったモノを元の場所に戻すこと」です。
つまり片付ける場所が決まっていないと子どもは片付けることができませんので、子どもと一緒に全てのおもちゃの置き場所を決めましょう。
もし決めた置き場所に片付けないのであれば
収納場所が子どもに合っていない
収納方法が子どもに合っていない
収納場所が子どもに分かりにくい
この3つのいずれかの可能性があります。
収納場所が子どもに合っていない
例えばいつもリビングで遊ぶのに、片付ける場所は子ども部屋だと片付けるのが面倒くさくなると思いませんか?
「生活感をなくしたい」という理由でおもちゃとリビングに置きたくないという方はいらっしゃいます。
でも、その結果子どもが片付けられなくてイライラするのであれば逆効果ですよね。
子どもがリビングで遊ぶ時期なんて、あっという間に終わります。
もし子どもにおもちゃを片付けてほしいと思うのであれば、おもちゃで遊ぶ場所に片付ける場所を作ってあげてくださいね。
収納方法が子どもに合っていない
フタつきの箱に入れて片付ける
カゴに入れて片付ける
棚にそのまま置いて片付ける
など、子どもによって片付けやすい収納方法は違います。
もし「遊ぶ場所に片付ける場所」があっても片付けないのであれば、収納方法が子どもに合っていない可能性があります。
「片付けるときに大変だなと思うところはある?」などと聞いて、子どもが片付けやすい収納方法を一緒に考えてあげてくださいね。
収納場所が子どもに分かりにくい
せっかく遊ぶ場所におもちゃの収納を作っても、子どもが分かっていなければ意味がありません。
どこに何を片付けたらいいかが目で見て分かるように、収納にはラベルをつけておきましょう。
見落としやすい「ラベル」問題
ラベルとは?
入れ物の中に何が入っているか目で見て分かるようにするためにシールやカードなどで作った印。
家でいうところの表札のようなもの。
収納にラベルとつけることを「ラベリング」といいます。
せっかく収納を整えても
・ラベルがなくて子どもが分からない
・ラベルが分かりにくくて子どもに伝わらない
というのはもったいないです。
文字が読めない子どもであればイラストや写真を使うなど、子どもが分かるラベルを一緒に考えてあげてくださいね。
実は子どもも困っている
片付け方が分からない
おもちゃの量が多くて片付けるのが大変
どこに片付けたらいいか分からない
片付ける場所が遊ぶ場所から離れていて大変
片付ける場所に戻すのが難しくて大変
ラベルの意味が分からなくて片付ける場所が分からない
このように「片付けられなくて困った子ども」は、「困っているから片付けられない」のかもしれません。
おもちゃの片付けは毎日のことですからね。
なかなか片付けない子どもを見ると「なんで片付けないの!」と怒りたくなる気持ちも分かります。
でも、ちょっと一呼吸おいて「もしかしたら片付けられない理由があるのかも?」と考えてみませんか?
そして子どもと一緒に「片付けられるおもちゃの量」と「片付けやすい収納」を考えてあげてください。
そうやって1つずつ「片付けられない理由」をなくしていけば、子どもは片付けられるようになっていきますよ。